秘書の誕生日、一夜のはずが社長に溺愛されています
その圧に、思わず後ずさる。

「はい……」

声が震える。

それでも、頷くしかない。

「それが……一番だと」

言い切ろうとした、その時だった。

「ふざけるな!」

ぴしゃりと空気が裂けた。

(……っ)

思わず肩が跳ねる。こんな声、初めて聞いた。

「誰が決めた」

低く、押し殺した怒り。

「お前か?」

視線が鋭く突き刺さる。

「それとも――」

一瞬、玲華の方へと向けられる。

「他人に言われたからか」

その言葉に、胸が強く揺れる。

「違います……」

小さく否定する。でも、完全には否定できない。

「だったら何だ」

間髪入れずに問い詰められる。逃げ場がない。

「私が……」

言葉が詰まる。

「私が決めたことです」

やっと絞り出す。それでも、視線は逸らせない。

「自分で責任を取ろうとしているだけです」

「責任?」
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