Marry Me?

Vol.27.何気ない日常のなかに

「はー。つっかれたぁー」

 はー、と、開く前にため息を吐いてから鍵でドアを開く。……疲れた顔なんか見せらんないもん。ミサミサ69♪ ……篠田大樹の彼女としての意地を見せよ。

「おかえり」にこやかに答える大樹は……大き目の紺のエプロン姿で台所に立っている。仕事着に重ねてるのが萌え。萌えるぅ……。萌えきゅん。山口もえきゅん。

 手洗い諸々を済ませてから、あたしは、後ろから大樹に抱きつく。「……先にお風呂入ってていいって言ってるのに……」

「おれがそうしたいだけだから」と、彼のお腹の前で組み合わせたあたしの手に、自分の手を重ねる大樹。「飯の準備とか。買い出しって、案外、時間かかるもんなんだな。……おれ、美紗と付き合うようになって初めて、自分の母親とか……世の中の女性が、どれだけ大変なのか。ちょっぴりだけれど、分かった気がする……」

「大樹のお母さん、お料理上手だもんね」

「うん」言ってあたしのおでこに頬をすりすりする大樹は、「風呂あがったころに飯出来るようにしとくから。……ゆっくり入っておいで?」

「ありがとう。じゃあ、お言葉にあまえて……」

「……キス」
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