Marry Me?

Vol.29.ワイシャツくんくんの権限

 ……そろそろ、いいでしょうか。

 もう、限界です。

 土曜の朝。洗濯物は二~三日に一回が限度で。それこそひとりのときなんて一週間に一回だったもの。けど――大樹は、汗っかきで。真夏だと通勤電車であまりに汗をかくので、早めに出社して、インナーを変えるのだそうだ。ふああ……萌え。萌えるぅー。萌えきゅん☆彡

 朝が早い大樹はランニングに行ってそれから筋トレをしているはず。よぅし。珍しく早く目覚めた朝。早速……昨晩着ていたに違いない、大樹のワイシャツに手を伸ばす……ああああああ! からだじゅうに電流が流れるようだ!! ッああああ!
 
 よりによってこれ、初めて大樹があたしを姫抱きにしてたときに着てたワイシャツじゃーん。ふわぁあーん。……ねえ。大樹。あたし、言ったよね。あたし……

「たっだいまー」

 いきなり玄関から物音がしたのであたしは飛び上がるかと思った。別に、この時間に大樹が帰ってきたとて、なんら不思議はない――が、そのくらい、あたしは、没頭していたのだ。大樹の――匂い、の、残存する気配に。
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