Marry Me?
Vol.8.Kiss
「……大丈夫でしたか? 篠田さん」
店長の計らいで早めに上がらせて貰った。篠田さんの片手は、買い物袋で塞がっている。
彼は、顔をこちらに傾けて答えた。「……なにが?」
「あの。その……」あたしはどもってしまう。「うちの店長。ああ見えて、結構、自分に対して厳しいから……」
「素敵なひと、だよね。……好き?」
いきなり言われ、自転車を押すあたしの手は、止まってしまう。「いや……そんなはずは……っ」
「おれと美紗が喋ってると、すっごい目で見てくるんだよねえ。……ふぅん。ざっくり、状況が読めた……真実は常にひとつ」
顎を摘まみ不敵に笑うあなたの見た目はおとな。中身もおとな?
「……確かに。深崎店長は、すごく、……魅力的なひとではありますけど」あたしは自転車を押して歩きだす。「でも、それだけですよ? 職場恋愛なんてありえません。第一、彼は女性人気が高いですし、そもそも向こうにも、選ぶ権利がありますし……」
店長の計らいで早めに上がらせて貰った。篠田さんの片手は、買い物袋で塞がっている。
彼は、顔をこちらに傾けて答えた。「……なにが?」
「あの。その……」あたしはどもってしまう。「うちの店長。ああ見えて、結構、自分に対して厳しいから……」
「素敵なひと、だよね。……好き?」
いきなり言われ、自転車を押すあたしの手は、止まってしまう。「いや……そんなはずは……っ」
「おれと美紗が喋ってると、すっごい目で見てくるんだよねえ。……ふぅん。ざっくり、状況が読めた……真実は常にひとつ」
顎を摘まみ不敵に笑うあなたの見た目はおとな。中身もおとな?
「……確かに。深崎店長は、すごく、……魅力的なひとではありますけど」あたしは自転車を押して歩きだす。「でも、それだけですよ? 職場恋愛なんてありえません。第一、彼は女性人気が高いですし、そもそも向こうにも、選ぶ権利がありますし……」