Marry Me?
Vol.10.おれの女に手を出すな
「……訂正して貰おうか」
「……ひっ……」
普段怒らない人が怒ると結構怖い。冷静な、青白い炎すら燃え立って見えた。篠田さんからは。
彼は、一転。笑みを浮かべたまま、ぐいっ、と、洋の腕を掴み、洋の腰の後ろで固定した。……刑事みたい。
どすん、と、篠田さんの持っていたビジネスバッグの音が響く。
「ひとつ。……おれの彼女は、中身がぎっしりだ。……おれへの愛、お客様への愛、諸々でな……。貴様」ふぅっ、と篠田さんは、色っぽい息を吐き、「……おれの彼女のスキンの水分量、知らねえのかよ。肌年齢驚きの二十歳なんだぞ? ハードなアパレル店員って職務も遂行しながら自身のメンテナンスも怠らない。……中身からっぽなのはむしろてめーだ。ストイックに、自己を、磨き、他者を、幸せにするおれの彼女を二度と侮辱するな。……いいか。てめえが……二度とそんなことしやがった日には――」
瞬間。素早く篠田さんは、洋の前に回り込むと、ぐん、と、右手を支点に、くるりと洋を背負い投げ、コンクリートにやさしくたたきつける。……見事な一本背負い。審判全員が白旗を挙げるクオリティだった。
「……ひっ……」
普段怒らない人が怒ると結構怖い。冷静な、青白い炎すら燃え立って見えた。篠田さんからは。
彼は、一転。笑みを浮かべたまま、ぐいっ、と、洋の腕を掴み、洋の腰の後ろで固定した。……刑事みたい。
どすん、と、篠田さんの持っていたビジネスバッグの音が響く。
「ひとつ。……おれの彼女は、中身がぎっしりだ。……おれへの愛、お客様への愛、諸々でな……。貴様」ふぅっ、と篠田さんは、色っぽい息を吐き、「……おれの彼女のスキンの水分量、知らねえのかよ。肌年齢驚きの二十歳なんだぞ? ハードなアパレル店員って職務も遂行しながら自身のメンテナンスも怠らない。……中身からっぽなのはむしろてめーだ。ストイックに、自己を、磨き、他者を、幸せにするおれの彼女を二度と侮辱するな。……いいか。てめえが……二度とそんなことしやがった日には――」
瞬間。素早く篠田さんは、洋の前に回り込むと、ぐん、と、右手を支点に、くるりと洋を背負い投げ、コンクリートにやさしくたたきつける。……見事な一本背負い。審判全員が白旗を挙げるクオリティだった。