Marry Me?

Vol.14.with you

「美紗。あのさ……仕事前に言うことじゃないかもだけど」

「なぁに」翌朝。あたしが、彼の作ってくれたフレンチトーストを頬張っていると、

「一緒に、暮らさないか……」

 思ってもみない一言に、小さく咳をする。すると、即座にあたしの横に回り込んで、背中をさすってくれる大樹の……誠実さを信じられるくらいには、信頼している。

「ごめんね。急で。……ずっと、考えていたことなんだ……」大樹はあたしの頭をぽんぽんすると、目を細め、「本当は……あの。ちゃんとしたプロポーズしたいな、とは思ったんだけど……美紗のなかに、迷いがあるかもしれないし。一緒に暮らしてみないと、分からないことってあるだろう? 深崎泰斗がジャッジしたからって、必ずしも、彼の物の見方が正しいとは……限らない。

 篠崎泰斗の前で見せるぼくと、美紗の前でのぼく。が、必ずしも一致するとは、限らないだろう」

 どこまでも店長を意識している。……引き合わせたのは失敗だったか。

 ともあれ。あたしは、彼の弁に、耳を傾ける。

 彼は悟ったらしく。あたしの目線を受け止め、そっとあたしの肩を抱くと、
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