好きでも嫌いでもなく、もうどうでもいい~自称聖女に寝取られたあなたになど、何の価値があるとでも?~

001 異世界の聖女様

「リーシア様、よろしいのですか?」

 一緒に歩いていた親友でもある子爵家の令嬢であるルミナ嬢が、不安げに私の顔をのぞき込む。
 
 そしてそのあとチラリと見た彼女の視線の先には、よく見た顔の人たちがいた。

 王宮の中庭、色とりどりの花咲く回廊の先。
 白い石で造られ、背の高いガゼボには一人の少女と、彼女を取り巻く数名の男たち。

「ええ……」
「ですが……あのお方は、リーシア様の婚約者である……ダレン様なのですよね」
「そうですわね。彼は今、あの聖女キララ様の護衛任務中なのだそうですわ」

 そうは言ったものの、誰が見ても護衛任務になど見えはしない。

 まるで恋人たちが戯れるように、楽し気に彼らはお茶会をしている。
 しかもその距離はかなり近く、聖女は笑いながら、その場にいる男性たちにペタペタと触れていた。

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