好きでも嫌いでもなく、もうどうでもいい~自称聖女に寝取られたあなたになど、何の価値があるとでも?~

002 最低限の会話

 数日後、やっとの思いでダレンとの約束をこじつけた。
 
 この約束だって、何度破られてきたかもわからない。

 いつだって彼は「仕事なのだから、聖女様の側を離れることが出来ない」と私の誘いを断ってきた。

 聖女様が来る前は、何か月に一度は一緒にお茶などしていたというのに。

 私の屋敷の自室で、彼にお茶を振舞う。

 甘いものが苦手なダレンのために、お茶菓子は昨日私が作ったものだ。

 スコーンにはベーコンとチーズが練り込まれていて、いい匂いを放っている。

「落ち着かない様子ですが、大丈夫ですか?」

 私の言葉に、ダレンはようやくこちらを見た。

< 5 / 30 >

この作品をシェア

pagetop