『お前以外、愛せない』――元カノがいたはずの俺様王子くん、私への執着が暴走中!?ーー 完結

波乱のデート?

 日曜日の遊園地。


 ゲートをくぐった瞬間、春兎は一切の迷いなく私の手をギュッと握った。


「春兎、恥ずかしいよ。みんな見てるし……」


「見させておけ。お前が俺の隣にいるのが『当たり前』だって、世界中に分からせてやる」


 春兎は人混みの中でも私を離さない。それどころか、すれ違う男の子が少しでも私の方を見ると、春兎は相手を射殺さんばかりの鋭い目つきで睨みつけ
る。


「……空音。お前、さっきからキョロキョロしすぎ。俺だけ見てろって言っただろ」


「だって、あのアトラクション面白そうだし……あ、あっちに謎解きコーナーがある!」


 月夜くんの影響で、つい「謎解き」の看板に反応してしまった私。


 その瞬間、春兎の表情がサッと険しくなった。


「……月夜の真似事なんてさせねーよ。あんな暗いコーナー、絶対行かないからな」


「ええっ、そんなあ……」


 不貞腐れる私を、春兎は強引に観覧車へと連れて行った。


 ゆっくりと上昇するゴンドラの中。二人きりの静かな空間で、春兎がポツリと呟く。


「……昨日さ、舞台の上でお前が目を閉じたとき、マジで心臓止まるかと思った」


「春兎……」


 春兎は私の隣に座り直し、逃げられないように肩を抱き寄せた。


 頂上で夕日に照らされる中、彼の低い声が耳元をくすぐる。


「劇のロミオは死んで結ばれたけど、俺は違う。生きて、お前が嫌になるまで隣に居座り続けてやる。……幼馴染としてじゃなく、男としてな」


 春兎の顔が近づいて、唇が触れそうな距離。


 観覧車が一番高い場所で止まったとき、彼は私の頬を優しく包み込んだ。


「俺のこと、もう『幼馴染』なんて言葉で逃がさねーよ。……覚悟しろ、空音」


 昨日の「悲劇」を上書きするような、甘くて重い、彼だけの独占宣言。


 観覧車から降りる頃には、私の心もすっかり「俺様王子」の魔法にかかってしまっていた。

 私は一生抜け出すことはできない…
< 12 / 12 >

ひとこと感想を投票しよう!

あなたはこの作品を・・・

と評価しました。
すべての感想数:2

この作品の感想を3つまで選択できます。

  • 処理中にエラーが発生したためひとこと感想を投票できません。
  • 投票する

この作家の他の作品

表紙を見る 表紙を閉じる
「学校では他人のフリしろ。……でも、家の中ではたっぷり可愛がってやるよ」 親の都合で、今日から高級一軒家で居候することになったクラスの地味子・結愛 緊張しながら玄関を開けると、そこにいたのは学校中の女子の憧れ、冷徹無比な『クール王子』こと九条零くんで――!? 学校では誰も寄せ付けない孤高の王子。 なのに、お父さんの前でも、2人きりの部屋でも、オレ様全開で強引に迫ってきて……!? 「俺以外の男を見るな。親父の前だろうが、お前は俺の女だから」 秘密の同居生活は、初日から理性を失ったオオカミ王子に溺愛されっぱなしで、私の心臓がもちません――! 【学校一のクール王子×クラスの地味子】ひとつ屋根の下、365日の過激で甘すぎるハラハラ同居ラブストーリー!
『現代短歌集』
社不。/著

総文字数/218

詩・短歌・俳句・川柳3ページ

表紙を見る 表紙を閉じる
『現代短歌集』 テーマは【短歌 × 青春】。 胸がキュンとする瞬間から、切ない片思いの記憶まで。 日常のなかで誰もが感じる「エモい感情」を31文字にギュッとしました。 少し不器用で、だけど愛おしい言葉たち。 おやすみ前のひとときや、日常のすきま時間に、ぜひサクッと覗いてみてください。 ★毎日更新中
表紙を見る 表紙を閉じる
修学旅行を間近に控えた夏休み明け。 主人公の桜木琴葉は、友人の藍花琴音から「一緒に班になろう」と誘われる。 メンバーは琴音のほかに、 琴葉に好意を寄せる(?)苺光くんと、 元気な柳田夏くん。 男子二人の熱烈なアプローチに 本人は無自覚なまま、 賑やかで波乱(?)の予感がする 修学旅行への準備が進んでいく。 最期までお楽しみください! 小学生の時に書いていたものなので、お手柔らかにどうぞ よければフォロー&いいねよろしくおねがいします! 感想お待ちしてます! 神楽 蓮

この作品を見ている人にオススメ

読み込み中…

この作品をシェア

pagetop