恋愛する気はなかったのに、年下の彼に甘やかされてます
そして。

「頂上だーー!!」

「フォーーーーーー!!」

「誰もいなーーい!!」

「フォーーーーーー!!」

……。

けいくん。

言葉なくしたんか?

そう思って、

前を向いた瞬間。

「……うわ」

息を飲む。

眼下いっぱいに広がる

満開の桜。

さっきまで歩いていた道も、

屋台も、

人の波も、

全部

小さく見える。

遠くまで続く街並み。

春の風。

桜色。

「すごい…」

思わず

その場に立ち尽くした。

「上から見る桜って…、こんなに綺麗なんだ…」

「だな」

すっと肩に手が回る。

そして、

隣りに引き寄せられる。

「登って良かった…」

「ククッ」

けいくんが笑う。

そして、

周りを少し見る。

どうしたんだろ。

そう思った瞬間。

そっと唇に

キスが落とされた。

舞い散る花びら。

桜の香り。

まるで、

二人だけの

世界に来たみたい。
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