三角屋根の下で君と
大事な試合だからこそ、自分で決めたものを使った方が絶対にいいと思い、ぶっきらぼうに答えてから泱を見上げると視線がぶつかった

「‥何?」

『胡桃に選んでもらったら勝てる』

「はぁ?そんなわけないでしょ‥早く」

『勝つよ‥だから選んで』



一体いつの間にそんな甘い表情をするように
なったのだろう‥‥

小さい時もよくこうして甘えて来たことはあるけれど、大人びた表情に心臓が煩く反応してしまう

「‥分かった。」

隣からの視線に耐えられず、胡桃は色とりどりの靴紐の中から泱のシューズのラインと同じ色の
水色と緑のカラーで編んである紐を手に取ると
泱を無視してそのままお会計に向かった

『胡桃、待てって』

「私が買うなら選ぶ」

『えっ?』

凛がプレゼントしたリストバンドとは全然違うし、そんな深い意味は勿論ない。

なのに‥なんでこんなにムキになるんだろ‥


「シューズ履いて?」

部室に戻り、泱がいつも履いているシューズに履き替えてもらい、ベンチに腰掛けた泱のシューズから紐を抜いていく間、泱は静かに黙っていてくれた。

先ほど買った靴紐を取り出し、シューズに丁寧に通していくと、色合いもシューズにあっていて一安心したのでちょうちょ結びをしてから泱を見上げた

「私が勝手に買って勝手に結んだだけだから、
 明日負けてもこの紐に意味なんてないから
 思いっきり楽しんでプレーすればいいよ。
 勝ったら勿論嬉しいけどさ、負けても
 得られること山ほどあるじゃん‥‥。
 空手で負けた時だって‥‥んっ!!」

冗談のつもりで言った胡桃に影が落とされると、驚く間もなく泱の唇が私の唇に重なり、
ゆっくりと影が離れてゆく

「‥‥何‥‥で‥?」

『‥‥‥これでもまだ分からないなら、
 ずっと俺のこと考えてろよ。』
 

ドクン
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