腹黒ドクターの独占欲は、傷心MRを離さない
もっとも、熱意だけで通用する世界ではない。
俺たち医師が求める情報を的確に提示し、時にはこちらも気づいていないニーズを掘り起こして提案する。
それが真のパートナーとしてのMRだ。
その点では、まだ若さゆえの拙さもあった。
だが、情報収集力も、プレゼンの精度も、日を追うごとに確実に伸びていた。
妹か後輩の成長を見ているみたいだな――そんなふうに思う自分がいて、それが少し楽しくもあった。
頼れるキャリアウーマンの片鱗が見え始めていたある日のことだ。
症例が急変し、投薬の可否を判断する必要にせまられた時があった。
万が一があってはいけないと、自分が選んだ薬剤について彼女に問い合わせると、出先にも関わらず、
「海外での症例がありましたので、少し時間をください」
と、ものの数分でデータをまとめて送ってくれたことがあった。
あの時は、本当に頼もしく感じた。
これからも彼女と仕事がしたいと、初めて思った。
だから、同僚と婚約したと知らせを聞いたときは、純粋に嬉しかった。
厳しい仕事だ。公私ともに理解し合える存在ができたのなら、これ以上心強いことはない。
本心から、彼女の幸福を喜び、今後の活躍を期待していた。
この時点では、まだ――。
俺たち医師が求める情報を的確に提示し、時にはこちらも気づいていないニーズを掘り起こして提案する。
それが真のパートナーとしてのMRだ。
その点では、まだ若さゆえの拙さもあった。
だが、情報収集力も、プレゼンの精度も、日を追うごとに確実に伸びていた。
妹か後輩の成長を見ているみたいだな――そんなふうに思う自分がいて、それが少し楽しくもあった。
頼れるキャリアウーマンの片鱗が見え始めていたある日のことだ。
症例が急変し、投薬の可否を判断する必要にせまられた時があった。
万が一があってはいけないと、自分が選んだ薬剤について彼女に問い合わせると、出先にも関わらず、
「海外での症例がありましたので、少し時間をください」
と、ものの数分でデータをまとめて送ってくれたことがあった。
あの時は、本当に頼もしく感じた。
これからも彼女と仕事がしたいと、初めて思った。
だから、同僚と婚約したと知らせを聞いたときは、純粋に嬉しかった。
厳しい仕事だ。公私ともに理解し合える存在ができたのなら、これ以上心強いことはない。
本心から、彼女の幸福を喜び、今後の活躍を期待していた。
この時点では、まだ――。