遼くんは泣き顔がお好き。
なんとなく予想はしてたけど。
次の日から、ユアちゃんに対するみんなの態度が少しずつ変わっていった。
「ミカおはよー」
「…おはよー」
かろうじて挨拶は返してたけど、いつものように雑談することもなく。
さっさと香里奈と美冬ちゃんのところへ行ってしまうミカちゃんを困惑した顔で見つめるユアちゃんを見ていられなくて、
「ユアちゃんおはよっ」
「玲維…おはよう〜」
あたしに喋りかけられてほっとしたように笑うユアちゃんの顔を見ると、胸がちくりと痛んだ。
あたしだけは、ユアちゃんと普通に喋ろう。
避ける必要はないはずだから。
「ねー玲維!ちょっとこっち来なよぉ」
そう思っていたんだけど。
ミカちゃんの声に後ろを振り向くと、
頬杖をついてあたしをじっと見つめる目と目があった瞬間、口角が引き攣るのを感じた。
「玲維…」
小さな声であたしを呼ぶユアちゃんの顔を見ることも出来ず、うつむいてしまう。
”このままユアちゃんと一緒に居たら、次はあたしの番?”
どこかでそんなことをささやく声が聞こえた気がした。
また中学の時みたいな、あんなことになるの?
それだけは絶対に嫌だ。
「…………何?ミカちゃん」
なんて弱くてずるいんだろう。
ぎゅっと握った拳は、気付かぬうちにじっとりと手汗をかいていた。