遼くんは泣き顔がお好き。
予想はしていたけど、結構キツイ。
教室に入った瞬間突き刺さる視線、
静まり返る室内。
一気に血の気が引いていくのを感じた。
「…なになに〜??みんな俺のこと見ちゃって、照れちゃう〜〜〜」
「ばーか、お前のこと見てんじゃねーよ!」
「ミヤおはよー!」
宮尾くんがおどけてくれたおかげでちょっとだけ空気が緩んだ気がするけど、
笑うことすらできない。
怖くてミカちゃんの方は見れないけど睨まれてるのがわかる。
どうしよう、どうしよう。
「久原さ…」
「れーいちゃんっ、おはよー」
うつむいたあたしの耳に聞こえてきたのは、宮尾くんがあたしを呼ぶ声。
その声に被せるように聞こえたのは、
「え?!あの子1年の…」
「美澄くんじゃない?めちゃくちゃかっこいいって騒がれてる…」
昨日のあの変態男の声。
ざわつく教室もものともせず、
迷いのない足取りで真っ直ぐにあたしの元へ歩いてくる。
改めて明るい場所で見てみると、整いすぎて迫力すら感じる顔面だ。
「昨日ぶりだね、れいちゃん」
「はぁ…」
「れいちゃんともっと話したくて、教室まで来ちゃった」
「いや…困るんだけど…」