遼くんは泣き顔がお好き。
この綺麗な顔が、あんなこと言ったなんて
いまだに信じられない。
” ねぇ、もっと泣いてくんない?
アンタの泣いてる顔、かなり好き。”
そう言ってとろけた瞳があたしを映した瞬間、
鳥肌がたったのを覚えてる。
初対面の人にあんなこと言うなんて、やっぱり普通じゃないよね?
「ねぇ、一個聞いていい?
なんで初めて会った時、あんなこと言ったの?」
「…あぁ、もっと泣いてってやつ?」
やっぱりあたしの聞き間違いではなかったらしい。
「決まってんじゃん、もっと見たかったんだよ。
れいちゃんの泣いてる顔」
「ド変態っ…!!」
「しつれーだなぁ。
でもあんなふうに思ったの初めてなんだよねぇ、
俺なんであんなこと言ったんだろ」
「あたしが聞きたいんですけど」
「あぁ、あれが一目惚れってやつだったんかな?」
あっけらかんと言われた言葉にぴたりと足が止まる。
なにこれ。
今あたし、告白されてる?
「は?何言って…」
「れいちゃんの泣いてる顔、ずっと見てたいくらい好き」
「…泣き顔、だけ?」
「今んとこ泣き顔が1番好き。」
好きって言われたのにこんなに嬉しくないことってある?
むしろ引いてます、あたし。
「…あのさぁ、あたし自慢じゃないけど今までかわいいとかキレイとか人からよく言われるタイプではないのね?
ごくごく普通の地味な顔だちなわけ。」
突然語り始めたあたしを見て、美澄くんが首を傾げた。
「お世辞にも見た目を好きになったって言われるような顔面してないの。だから君の言ってることは理解できないし一目惚れだとか言われても嬉しくもなんともない」