檻の外で咲く恋2
振り返らないまま。

玲央「顔色、悪いぞ」

静かな指摘。

芹羽「寝不足なだけ」

そう言って、
無理やり笑う。

玲央は、少しだけ間を置いて。

玲央「……そうか」

それ以上は何も言わなかった。

踏み込まない距離。

それがありがたいはずなのに。

どこか、物足りなく感じた。

―――

昼。

店のバックヤード。

相談を聞いている最中にも、
ぼんやりする瞬間が増える。

キャスト「芹羽さん?」

声をかけられて、
はっと意識を戻す。

芹羽「あ、ごめん」

軽く頭を下げる。

キャスト「本当に大丈夫ですか?」

芹羽「うん、大丈夫」

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