極道シングルファザーの甘く危険な独占愛
「……ッん、……はぁ、……っんん」

 恐らく人は来ないであろう場所ではあるものの、外でこういうことをしていて誰かに見つかるかもしれない緊張感や、強引で少し乱暴な口付けが羽衣子の心をかき乱す。

(……こんなところでこんなこと……)

 そう思う程に胸は不思議なくらい高鳴っていき、羽衣子は昴のキスをただただ受け入れていく。

 昴の方も、こんな場所でキスをしてしまえばそれ以上のこともしたくなると分かっているのに、理性が利かず、ただ自分の欲望のままに行動してしまっていた。

 何度も何度も唇を重ね合わせ、舌を絡め、厭らしい水音が聞こえてくる中、昴の手が羽衣子の身体へ伸びていったその時、昴のスマートフォンの着信音が鳴り響いた。

「……っ、すば、る……さ、……っでんわ、……」
「いいから――」
「――ッ」

 それでもなかなか止めようとしない昴に羽衣子が途切れ途切れに言葉を掛けるも止まる気配が無い。

 そのまま流され続けていた羽衣子だけど、昴の着信の後に自身のスマートフォンの着信が鳴ったことで、二人は電話の相手が乙哉なのではと気付いたようで、

「…………っ、悪い……電話、多分乙哉だろう」
「…………っはぁ、……はぁっ」

 名残惜しげに唇を離した昴は自身のスマートフォンを取り出しながら言った。

「……っ、そう、ですね……広瀬さんからです」
「やっぱりな。俺が掛けるから」
「はい……」

 昴が折り返し掛け直すと、希海が昴や羽衣子を恋しがり始めたというので束の間の二人の時間は終わりを告げ、博物館へ二人を迎えに行くことに。

 車内では少し気まずい空気が漂っていたけれど、二人の手は繋がれたまま。

「一泊するの、再来週辺りにするか」
「……は、はい……」
「それまでに場所も決めておくから」
「……楽しみに、していますね」
「ああ」

 恋人同士になったとはいえ、まだまだぎこちなさはあるものの、今の二人の中には幸せな気持ちが溢れていた。
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