極道シングルファザーの甘く危険な独占愛
血の繋がりよりも大切な絆
 高速を使って一時間程で動物園に着くと、希海は瞳を輝かせながらあちらこちらへ指を差す。

「パパ! ういちゃん! あそこにキリンさんいるよ! あっちはゾウさんいるって!」
「ああ、近くまで行ってみるか?」
「うん!」

 動物を見るたびに嬉しそうな声を上げる希海の姿に昴も羽衣子も自然と笑顔になる。

 園内には小さな遊園地も併設されていて、三人は動物を見て回ったあとで乗り物にも乗った。

「希海くん次は何乗る?」
「あれのりたい! そのつぎはあっち!」

 そんなやり取りを繰り返しながら三人は時間を忘れるくらいに一日を満喫した。

 そんな楽しい時間の中、園内を歩いていると少し先に母親と子供が並んで歩いている姿が目に入った。

「ママ、次はどこ行く?」
「そうね。次はあっちに行ってみようか」
「ママ、抱っこして?」
「もう、甘えん坊なんだから」

 そこには母親に甘えながら抱っこをせがむ子供の姿があり、その様子を希海は足を止めてじっと見つめていた。

 そんな希海の様子に昴と羽衣子は気付き、共に何かを感じ取ったのだろう。

「希海くん?」
「……なに?」
「疲れちゃったかな?」
「ううん……」

 そう答えながらも希海の視線はまだ親子へと向けられていて、昴はそんな希海の頭をそっと撫でた。

「どうした?」
「……なんでもない」

 その言葉を聞いた羽衣子がしゃがんで希海と目を合わせる。

「やっぱり疲れちゃったかな? 抱っこしよっか?」
「ううん、つかれてないよ……」
「遠慮しなくていいんだよ? ほら、おいで?」

 どこか遠慮する希海に羽衣子が手を広げて、「おいで」と言葉をかけると、少し悩みながらも希海は羽衣子にギュッと抱き着いた。
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