さようなら、先輩
黒崎という男
『20時ホ』
『了解』
そんな短いやり取りが数え切れないほどある
自分でもわかってる
こんなことしてもなんにもならない
ただ、虚しいだけだって
「はぁ、行くか」
香水とお酒の匂いが混じり合うホテル街
ネオンが眩しい
押しなれたエレベーターのボタンを押して廊下の奥にある部屋に入っていく
「遅かったな」
ちょっと長いマッシュの髪が揺れる
「支度してたの」
「そ」
優しくもないけど冷たくもない
サラサラの髪、割れた腹筋、切れ長の目、いかにも漫画のヒーローみたいな見た目をしている男
黒崎竜生。
氷の王子と呼ばれる黒崎はそんなキラキラしたやつじゃない
学校のやつはみんな
『人を駄目にする男』
なんて言ってるけど実際は彼女がいるのに他の女とホテルで会ってるようなやつなんだ
「彼女は?」
「遊んでから来た」
黒崎らしいわ
「じゃあ私帰るから」
いつも通り済ませたあとは私が帰る
その後時間を開けてから黒崎が出るのだ
怪しまれないように
一応制服は脱いでるとはいえどこで誰が見ているかわからないからな
黒崎は学校の先輩だ
テニス部のきれいな彼女さんがいる
学校では理想のカップルとして称えられている2人
一方私は目立つことのない陰キャ
なんでそんな私と黒崎がこんな関係になったかというと
大雨の降ったあの日私は公園の遊具の中で凍えていた
傘も帰る場所も生きる意味も見失ったあの日
そこに黒崎が通りかかったのだ
『お前暇?』
ただそんな一言だった
あの時の私には誰でもよかった
ただ一晩過ごしてくれる相手が欲しかっただけ
それからというも黒崎の気分で私は呼び出される
別に嫌じゃなかった
ただこのなんとも言えない寂しさを埋めてくれればよかった
『了解』
そんな短いやり取りが数え切れないほどある
自分でもわかってる
こんなことしてもなんにもならない
ただ、虚しいだけだって
「はぁ、行くか」
香水とお酒の匂いが混じり合うホテル街
ネオンが眩しい
押しなれたエレベーターのボタンを押して廊下の奥にある部屋に入っていく
「遅かったな」
ちょっと長いマッシュの髪が揺れる
「支度してたの」
「そ」
優しくもないけど冷たくもない
サラサラの髪、割れた腹筋、切れ長の目、いかにも漫画のヒーローみたいな見た目をしている男
黒崎竜生。
氷の王子と呼ばれる黒崎はそんなキラキラしたやつじゃない
学校のやつはみんな
『人を駄目にする男』
なんて言ってるけど実際は彼女がいるのに他の女とホテルで会ってるようなやつなんだ
「彼女は?」
「遊んでから来た」
黒崎らしいわ
「じゃあ私帰るから」
いつも通り済ませたあとは私が帰る
その後時間を開けてから黒崎が出るのだ
怪しまれないように
一応制服は脱いでるとはいえどこで誰が見ているかわからないからな
黒崎は学校の先輩だ
テニス部のきれいな彼女さんがいる
学校では理想のカップルとして称えられている2人
一方私は目立つことのない陰キャ
なんでそんな私と黒崎がこんな関係になったかというと
大雨の降ったあの日私は公園の遊具の中で凍えていた
傘も帰る場所も生きる意味も見失ったあの日
そこに黒崎が通りかかったのだ
『お前暇?』
ただそんな一言だった
あの時の私には誰でもよかった
ただ一晩過ごしてくれる相手が欲しかっただけ
それからというも黒崎の気分で私は呼び出される
別に嫌じゃなかった
ただこのなんとも言えない寂しさを埋めてくれればよかった
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