近くにいるための嘘
54話 クッキー
「昨日ありがと」
悠太郎くんがクッキーとチョコレートをくれる。
「……このクッキー、もしかして悠太郎くんが作ったの?」
私はオーディション番組のプロフィールを隅々まで見ているから、
悠太郎くんの趣味が実はお菓子作りなことも知っている。
「そう。ごめん、キモイか」
「キモイわけない!嬉しい!」
困ったように笑う悠太郎くんに、食い気味で答えてしまう。
……だって、推しが、私のために作ってくれたクッキー。
こんなの、一生食べられない。
家宝にするし、もちろん棺にも一緒に入れてほしい。
「……美桜ちゃんなら、そう言ってくれると思った」
恥ずかしそうに言う悠太郎くんの顔を見て、
ああ、こんな顔、皆は絶対見たこと無い、って思う。
「もったいなくて、食べられない」
本気で言ったのに、食べてよ、と笑われる。
「……食べる。ありがとう」
悠太郎くんは笑って手を振って友達のところへ行く。
……悠太郎くんが作った、クッキー。
嬉しすぎて、幸せすぎて、とにかく写真を撮る。
残さないといけないと思った。
「美桜、やっぱ悠太郎くんと仲良しだねえ」
必死に写真を撮ってる私を見て莉子が笑う。
「私、悠太郎くんの"特別"だから」
口に出したら、本当に、悠太郎くんの特別な気がした。
悠太郎くんがクッキーとチョコレートをくれる。
「……このクッキー、もしかして悠太郎くんが作ったの?」
私はオーディション番組のプロフィールを隅々まで見ているから、
悠太郎くんの趣味が実はお菓子作りなことも知っている。
「そう。ごめん、キモイか」
「キモイわけない!嬉しい!」
困ったように笑う悠太郎くんに、食い気味で答えてしまう。
……だって、推しが、私のために作ってくれたクッキー。
こんなの、一生食べられない。
家宝にするし、もちろん棺にも一緒に入れてほしい。
「……美桜ちゃんなら、そう言ってくれると思った」
恥ずかしそうに言う悠太郎くんの顔を見て、
ああ、こんな顔、皆は絶対見たこと無い、って思う。
「もったいなくて、食べられない」
本気で言ったのに、食べてよ、と笑われる。
「……食べる。ありがとう」
悠太郎くんは笑って手を振って友達のところへ行く。
……悠太郎くんが作った、クッキー。
嬉しすぎて、幸せすぎて、とにかく写真を撮る。
残さないといけないと思った。
「美桜、やっぱ悠太郎くんと仲良しだねえ」
必死に写真を撮ってる私を見て莉子が笑う。
「私、悠太郎くんの"特別"だから」
口に出したら、本当に、悠太郎くんの特別な気がした。