好きになった人は、みんなのアイドルで 2

33話 じゃじゃ麺

「あ、コートちょうだい」
「うん、ありがと」

なんだかぎこちなくなってしまう。

「ここに荷物置いていいよ。こっち洗面所だから、手洗って。……そしたら、こっち座ってて。」
「うん、ありがと」

悠太郎くんが、私の家にいる。
やばい、緊張する。
私も手を洗って昼ごはんの支度をする。

「はい、どうぞ」
「わ、初めて食べる。美味しそう。」

じゃじゃ麺の食べ方を説明してあげる。
1口食べて、「ん、美味い」と悠太郎くんが言う。

「あ、ほんとー?良かった。あんまり好きじゃないって言う人もいるからドキドキした」
「え、めっちゃ好き。美味い。このなますも浅漬も美味しい。作ったの?」
「そう、なますは実家でお母さんとつくった」
「紬ちゃんの料理上手はお母さんの影響なわけだ」

そうかな、と少し照れる。
次はもっと、手の込んだ料理、食べてほしいな。

「ちょっと残してね、卵スープにして食べるの」
ちーたんたんにして、持っていくと、
「え、これもうまー」と満足そうな悠太郎くん。

「紬ちゃんの地元の味、知れて嬉しい」
「美味しいものたくさんあるよ。盛岡冷麺とか」
「それは知ってる。焼肉屋行ったら絶対食べる」
「ほんと?嬉しい。盛岡の人はねー、焼肉食べずに冷麺だけ食べることもあるんだよ」
「まじ?そんなことある?」

地元の話をするのも、なんだか楽しい。

「ね、悠太郎くんの地元の話も教えて」

久しぶりなのに、久しぶりな気がしなくて、悠太郎くんといると落ち着く。
緊張なんていつの間にか忘れて、笑い合っていた。
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