いじわる主治医は、私にだけ甘い
彩人は宣言通り仕事を30分ほどで終えて、病院を閉めた。
慶人も出てきて、軽く挨拶をした。

「今日は冴ちゃんの検診の日だったか」

「慶人さんは患者さんからの信頼が厚いですね。待合室、みんなニコニコしてました」

「まぁ、僕ら双子で見た目は瓜二つだしこのくらいしか違いがないからなぁ。せめて中身が変わってないとみんな分かんないんじゃない(笑)」

「区別するポイントそこなんですね(笑)」

「一緒に帰るんだろう、車乗せてこうか?」

「いいえ、ありがたいですが。彩人が私に話したいことがあるらしくて歩いて私の家まで送ってくれるそうです」

「そう、じゃあまたね。本当に無事手術が終わってよかった」

頭を撫でてくれる、慶人先生。
と思うと、今度は慶人さんが腕を掴まれてた。

「おい人のものに気安く触んな、慶人」

「はいはい、うるさいうちの院長様ですなー」

「冴も大人しく撫でられてるな」

だって、人様の優しさを無碍にするのは……
なんて、彼氏の前で良くなかったよね。

「ごめんなさい」

「さぁ、帰るぞ」

「うんっ。お仕事お疲れ様、彩人」

私たちは手を繋いで病院を出た。
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