いじわる主治医は、私にだけ甘い
エコーで撮った写真を見ながら、先生は少し影のある表情をした。

「思ったより状態が良くない。ここに子宮筋腫が見えます。貧血の値も良くないし大きさ的にも手術が必要かもしれません」

「えーー……」

「突然言われても何がなにか分かりませんよね。でも、大丈夫。仕事にもできるだけ早めに戻れるようにしますし、もちろん子宮は残します」

「でも、怖いです……少しだけ心の準備をする時間をください」

「このクリニックに通って、ちゃんと薬を飲んでくれるなら」

「わ、分かりました」

「このクリニックでは設備がなくて手術出来ないですが、大学病院に紹介します」


え、じゃあ先生はもうこれでみてくれなくなるの!?

「そんな……」

「俺じゃないと不安か?」

「そ、そんな……いえ、そうです。不安です」

私、この間から先生のこと考えるとドキドキして、先生じゃないと嫌だって思ってる。

「解った。俺が執刀できるように手配する。なんにも心配するな」

頭をポンポンと子供のようにあやす先生。

「髪がぐしゃぐしゃになっちゃいます~」

「いいじゃん別に」

「良くないですぅ!」

でもそれで場が和んだ。

「先生、私のことをよろしくお願いします」

「はい、任されました」

先生はそう言ってわらった。

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