経済学部一の人気者が同じ学部の大人しい女の子に一目惚れした理由│Quiet Strength×Soft Strength

Quiet Strength×Soft Strength 8

 二人には他の選択肢もあった。他の人と結ばれて、それぞれに幸せになる未来もきっとあった。自分にはこの人しかいないなんて思うのは馬鹿げてる。絶対にそんな事は無いんだから。

 でも、そう考えると苦しくなる。弱く見える綾音の隣にいるのが、その強さを理解してくれる司じゃなかったら? 呼吸できる場所を探していた司の隣にいるのが、それを与えられる綾音じゃなかったら? 二人の安らぎのような愛は、きっとこの世に生まれなかった。同じ様な人と同じ様な恋愛をしても、それは司と綾音じゃないんだから。この世に同じ人はいないんだから。

 たまたま同じ歳に生まれて、たまたま同じ大学に入って、たまたま共通の知り合いがいた。そして二人は偶然出会って、必然的に結ばれた。そんな美しい物語を見た気がした。
< 153 / 154 >

この作品をシェア

pagetop