経済学部一の人気者が同じ学部の大人しい女の子に一目惚れした理由│Quiet Strength×Soft Strength

推し争奪戦 2

 実は司がPythonを入れたいと申請した時、情シスは大騒ぎになった。最初はまた、便利そうとか格好良いとかいう理由で導入したいと言っているんだろうと思っていた。職種的に使うことが珍しい部署からの申請だったから、そう思うのは無理もない。とはいえ、この無法地帯にあってちゃんと申請してきたのは好ましい。なので情シスはちゃんと司と向かい合って聞き取りをする事にした。新入社員だし、最初に色々覚えてくれると有難いから、ちょっと危機管理の話もしておこうかななんて思っていた。最初から断るつもりで、余り傷付けないような言葉も考えていた。自分達も使うことのあるソフトだけど使い方によっては危ないし、不要なソフトの管理もしてられないから仕方ないのである。

 そんな気持ちで面談したら司はこう言った。

「Excelでは限界があるのでPythonで処理したいんです」

 ここで、ん? と思った。取り敢えずは、ちゃんと今の状況で頑張ったんだね。偉い偉い。でもExcelにも色んな機能があるし、先ずはそこから試してみて欲しいな…。

「PowerQueryは時間がかかり過ぎて効率が良くないので」

 …え? あー。そうなの。そこまでやってから来たの。ちょっとびっくりしたなー。えーと、何て言おう。だからPythonでやってみたいって言われても、おいそれとは認められないんだよねぇー。

「Pythonのインストール許可頂けたら、こちらで仮想環境作ります。ライブラリも公式しか使いません」

 …あれ?

「ブラックボックス化しないように、設計書を自動生成します。ログの保存も行い、何かあった時の為のリセット用バッチを作ってお渡しします。CPUの使用率に制限をかけて、他の業務ソフトの邪魔しない設定で実行するようにします。あと…何か気を付けることはありますか?」

「…」
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