1回3分短編集(恋愛:学園)
「校舎から見える旧校舎」
 私は今日も正面にある旧校舎の屋上を見つめる。
あっいたいた。旧校舎って言うと幽霊とか連想しちゃうかも知れない。でも、私が見ているのは片想い中の彼。
 彼は授業中何かしらと理由をつけて時々屋上へ向かうんだ。きっとこれに気づいているのは私だけ。 なぜなら私の席は1番窓に近いから。それに生徒が少ないこの学校では、私の前後に誰の席でもない机と椅子が置いてある。
 そして隣が彼の席。彼の列も同じく誰もいない。だからみんなは見えないんじゃないかな。
 ちなみに校舎が使われなくなったのも人数の問題。
 そんなことを考えてしばらくすると知らない間に彼は帰ってきた。
 先生が心配してるけど彼はもちろん大丈夫。私、意外と好奇心旺盛でそれに負けて今日こそ聞いてみた。 
「なんでいつも屋上にいるの?」
「やっぱバレてた?あそこ景色良いし、姉さんのこと思い出すんだよね。」
 彼が言うには晴れの日にあそこへ向かうと綺麗な海が見えるらしい。彼のお姉さんは1年間だけ彼と中学生活を送っていたけれどある日怪我をして手が不自由になり、学校を転校してしまったらしい。旧校舎は去年まで使われていたからお姉さんはそこで生活していたそう。お姉さんは屋上から見える海が好きだったんだって。
「そうだったんだ。お姉さん、お大事にね。後気づいてる人多分私くらいだから安心して。先生なんて窓を見たことないんじゃないかな。」
「あははは!そんなことあるか?」
 彼と少し距離は縮まったかな?彼と二人だけの秘密ができて嬉しい。
 特別な人との秘密って嬉しかったり、緊張したり。よし。明日は私も一緒に行こうかな?
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