トップアイドルは白衣の天使に恋をする-second-
私はもう恥ずかしすぎて、顔を隠したくなる。

「……もうやだ」

「なんで?」

「優朔さん余裕ありすぎるんです……」

すると。

「優朔“さん”?」

わざとらしく言われて、私は一気に黙る。

優朔さんが吹き出した。

「かわい」

「笑わないでください……!」

でも。

そんな風に笑い合える時間が、すごく幸せだった。

ずっと張り詰めていた心が、少しずつ解けていく。

優朔さんは、そのあともずっと優しかった。

私が緊張すると、安心させるみたいに頭を撫でて。

恥ずかしくて俯けば、「ちゃんとこっち見て」って笑って。

その度に、また心臓がうるさくなる。

ベッドへ並んで座りながら。

たわいない話をした。

黒騎士の昔の話。

優朔さんが実はメンバーの保護者ポジションなこと。

陽貴さんが紗凪のことになると本当にポンコツになること。

奏くんが思った以上にうるさいこと。

蒼依くんが意外としっかりしてること。

話してるうちに、何度も笑った。

その時間が、あまりにも穏やかで。

「あぁ……」

って思った。

こんな風に安心できる恋、初めてかもしれないって。

やがて。

笑い疲れたみたいに、少し静かになる。

優朔さんが、そっと私の髪へ触れた。

「梓」

「……ん」

名前を呼ばれるだけで、胸が熱くなる。

優朔さんは優しい目で私を見つめた。

「これからは、ちゃんと頼って」

「一人で無理しない」

「僕がいるから」

その言葉に。

私は胸がいっぱいになって、小さく頷いた。

そして。

気づけばまた、優朔さんへ寄りかかっていた。

シトラスの香り。

温かい腕。

安心する声。

全部が心地よくて。

長かった1ヶ月の疲れが、ようやく抜けていく気がした。

その夜。

私たちは何度も名前を呼び合って。

何度も笑って。

時々照れて。

その度にまた抱きしめ合って。

甘くて。

優しくて。

幸せな時間を、ゆっくり重ねていった。

そして私は。

好きな人の腕の中で、久しぶりに安心して眠りについた。
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