月下ノ姫
“優しい”

そんな風に言われたこと、 ほとんど無かったから

海未は視線を逸らす

海未「別に……普通」

女子生徒3「ふふ、海未って不器用だね」

女子は笑う

その笑顔が、 少し眩しかった

──ガラッ

突然、 教室の扉が乱暴に開く

伊織「海未」

低い声

伊織だった

空気が一瞬で変わる

女子は驚いたように振り返る

女子生徒3「天城くん?」

伊織は返事もしない

ただ真っ直ぐ海未を見る

その目は、 どこか機嫌が悪そうだった

伊織「理事長が呼んでる」

海未「……分かった」

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