月下ノ姫
9章 守りたいもの
港の抗争は、 月詠の勝利で終わった

夜叉は引いた

だが、 空気は最悪だった

海未は倉庫の壁へ寄り掛かったまま、
静かに呼吸を整えている

伊織「……落ち着いたか」

海未「……ん」

伊織は海未の前へしゃがみ込む

その目は、 まだ心配そうだった

海未「そんな顔しないで」

伊織「する」

即答

海未は少しだけ困ったように目を逸らす

こういう時、 どう返せばいいのか分からない

伊吹「姫」

海未が顔を上げる

伊吹たちも近くへ来ていた

流生「マジで心臓止まるかと思ったんだけど」

隼人「……無理しすぎ」

海未「ごめん」

その瞬間

< 44 / 81 >

この作品をシェア

pagetop