月下ノ姫
1章 白月、夜に舞う
──4年後

夜の街を、 爆音が駆け抜ける

何台ものバイク

響くエンジン音

ネオンに照らされたその集団を見た瞬間、
周囲の人間は道を空けた

生徒1「……月詠(つきよみ)だ」

誰かが小さく呟く

全国No.1暴走族

“月詠”

その中心を走る一台の黒いバイク

長いラベンダーの髪を揺らしながら、
少女は静かに前を見据えていた

黒の特攻服

背中に刻まれた月の紋章

そして、 エメラルドグリーンの瞳

彼女こそ──『白月(はくげつ)』

11代目月詠総長、 海未

伊吹「姫、前方」

隣を走る伊吹(いぶき)が低く言う

海未は静かに視線を上げた

前方

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