月下ノ姫
14章 白月の涙
月詠のアジトへ戻ると、 空気は最悪だった

壊れたバイク

散らばったガラス

壁には、 夜叉の印

流生「……っ、クソ」

隼人の拳が、 静かに震えている

海未は何も言わず、 壊れたアジトを見つめていた

ここは、 海未にとって“家”だった

初めて出来た居場所

笑って

騒いで

仲間と過ごした場所

それを壊された

海未の瞳が、 ゆっくり冷えていく

海未「……夜叉」

低い声

その瞬間

──コツ、コツ

静かなヒールの音が響いた

全員が振り返る

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