【新作】婚約破棄×0日婚で逆転の幸せを掴んだら、生涯愛されました。
挨拶は改めてすると伝えていたけど、破棄になった今報告のしようがない。でも……。
「正直に言うしか、ないよね……」
両親への報告の日にちをすでに決めている今、今さら白紙になったと言ったら両親はきっと悲しむだろうな……。
「雪輝があんなことさえ、しなければ……」
何も知らないままいれば、私は普通に幸せな人生を迎えていたかもしれないのに。
雪輝のせいで、全部が台無しになった。 雪輝の過ちのせいで、私たち二人の幸せが砕け散った。
あの時、私が同窓会に行くことを許可しなければ、こうはきっとならなかった。
同窓会になんて行かないでと、そう言えば良かった。 そしたら、あんなことになることもなかったのに……。
「はあ……」
途方に暮れた私は、近くにあった公園のベンチへと座り込む。
「結婚……白紙になっちゃった」
私は今年で三十歳になる。三十までに結婚することが、私の目標だった。
その目標を叶えることが出来る寸前だった。
「あの、大丈夫ですか?」
ため息をつきながらベンチに座っている私に、一人の男性が声を掛けてくれる。
「え……?」
「どこか体調でも、悪いですか?」
「あ、いえっ……」
目の前の男性には、私が体調が悪そうに見えていたようだ。 体調より、心のメンタルがやられているのだが……。
「でも、顔色が悪いですよ?」
「……本当に、大丈夫ですから」
その場を立ち去ろうとベンチから立ち上がった、その時……。
「きゃっ!」
急に立ち眩みのような症状が現れ、躓きそうになってしまう。
「おっと……!」
男性が私の身体を支えてくれる。
「大丈夫ですか?」
「はい……すみません」