劣等生と光の花束〜ある魔女の秘密〜
「仮装って言っても、何でもいいみたいだよ。アニメのコスプレとかしてる人もいるみたいだし。とにかく普段の自分と違う格好をしなきゃいけないんだ」

そう言った後、ジュディスは時計を見て「やば!部活始まる!」と大慌てで教室を出て行った。その後ろ姿を見送りつつ、マシューとハリーも椅子から立ち上がる。

「ハリー。仮装、どうする?」

「何も考えてねぇよ。最悪、医務室から包帯貰って包帯人間にでもなるかな〜」

「医務室か……」

マシューの頭にメーガンの顔が浮かぶ。ライリーに対して恐ろしくなるほど冷淡な表情を向けていた彼女は、翌日マシューが頭痛のために医務室に行った際、メーガンは昨日のことが嘘のように微笑んでいた。

(きっと、暴力的なことが嫌いな人なんだよね)

マシューはそう思い直し、ハリーと別れて美術室に向かう。その間、ハロウィンパーティーのことを考えていた。

「仮装どうしよう……。衣装、自分で手作りしなきゃいけないのかな?でもそんな器用なことできないよ」

シリウスたちはパトリシアとイーサンの衣装は用意するが、マシューの衣装は用意しないだろう。学園に入学してから、手紙の一枚すら貰ったことがないのだ。
< 132 / 178 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop