劣等生と光の花束〜ある魔女の秘密〜
(とても綺麗だな……)

フレイヤを一度見てしまうと、もう他のものは目に入らなくなってしまう。そんなマシューを恋の海から引っ張り上げたのは、ハリーだった。

「おいマシュー!今からフローレンス先生の魔法のショーだぜ!」

バシバシと痛いほど肩を叩かれ、マシューは「わかったから叩くのやめて。痛いよ」と顔を顰めた。ジュディスが笑みを浮かべる。

「フローレンス先生はエルフだから、この中の誰も知らない魔法がきっとたくさんあると思う!楽しみ!」

ステージにフローレンスが立つ。彼女の今日の服装は、普段着ているの白いワンピースにジャック・オー・ランタン柄のマントを羽織ったものだった。仮装なのかとマシューは首を傾げたが、フローレンスは楽しそうな顔をしている。

「みんな、これから色んな魔法を見せていくよ。エルフの中で代々受け継がれてきた魔法もあるから、しっかり見ておいてーーー」

フローレンスが口を閉ざす。先ほどまで穏やかだった表情が一瞬にして消えた。彼女の目がマシューの座る椅子の方に向けられる。マシューの肩がびくりと跳ねた。フローレンスが杖を向ける。

「ヴェルメリオ!」

フローレンスが呪文を唱えた。魔法陣が浮かび上がり、赤い光線が次々とマシューに向かってーーー否、マシューの隣にある窓に向かって飛んでいく。

「うわぁぁぁ!」

「きゃあぁぁぁ!」
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