劣等生と光の花束〜ある魔女の秘密〜
「そういえば、パトリシアとイーサンは白いリボンとネクタイの制服着てたかも」

マシューは、朝見かけた二人の服装を思い返す。パトリシアは侮蔑の目を、イーサンはニヤニヤとした目をしながら、シリウスとカミラに連れられて屋敷を出て行った。マシューはハリーの家族にこの丘まで連れて来てもらったのだ。

「ヤベェ。制服なんて家に届いたっけ?」

「届いてなかったよ。杖と教科書だけ」

マシューとハリーは真っ青な顔で互いを見つめ合う。入学初日に制服を忘れるなどあり得ない。

(ハリーはラフな格好だけど、服は綺麗だ。でも僕なんか……)

マシューは自分の服を見る。古着屋でも見かけないような穴の空いたボロボロな服だ。宇宙人と星が描かれたTシャツにカーゴショートパンツを履いたハリーが輝いて見える。

「どうしよう……。服、このままでいいのかな?」

「もしかして制服ってどこかの店で購入しなきゃいけなかったのか?でもそんな話、家に来た魔法使い言ってなかったぞ!」

どうしようと二人が慌てていると、「二人とも、何も知らないの?」と声をかけられた。オレンジ色のミディアムヘアの女の子だ。その女の子も制服を着ておらず、黄色のリボンのついたブラウスの上にモスグリーンのジャンパースカートを着ている。
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