劣等生と光の花束〜ある魔女の秘密〜
素直にマシューは頷く。自分にはできない技だ。すると、美術室のドアが遠慮がちに開いた。ミラが気まずそうに立っている。

「すみません。遅れました」

ミラがペコリと頭を下げると、ロレンツォが絵を描く手を止めて「気にしていないよ」と笑いかける。男子に見せる表情とは違い、どこか甘ったるさを感じた。

「皆さん、順調ですか?行き詰まってしまったらいつでも声をかけてくださいね」

シャノンも美術室に入ってきた。全員黙々と絵を描いていく。マシューも鉛筆をスケッチブックに走らせていた。その時である。

「マーキュリーくん」

ミラが小声で話しかけてきた。その顔は真っ赤に染まっている。マシューは絵を描く手を止めた。

「ネビュラさん。どうしたの?」

「これ、プレゼント。誕生日だって話してる声が聞こえて……。おめでとう」

ミラが差し出したのは、一枚の絵だった。そこにはマシューが描かれている。絵を描くマシューがスケッチされていた。

「これ、僕に?」
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