劣等生と光の花束〜ある魔女の秘密〜
「おいしいです!」

クッキーの優しい甘さにマシューは頰に触れる。すると、紅茶のカップを置いたヨランダが立ち上がった。

「マシュー、少しだけ抱き締めてもいいですか?」

マシューが答える間もなく、マシューの小さな体はヨランダの腕の中にあった。ドクンドクンと聞こえる心臓の音に、マシューは心が落ち着いていくのを感じる。

(校長先生とはこの学園に来てから会ったのに、何だかずっと前から知っているみたい……)

ヨランダが息を吐く。マシューはその背中に、腕を回したいと何故か強く思った。



ヨランダとのささやかなお茶会が終わり、マシューは寮の部屋へと戻る。すると、ベッドの上にラッピングの施された箱が置かれていた。

「あの人からよ」

ジルが微笑む。マシューは「天使様……!」と呟き、プレゼントを開けた。

『可愛いマシュー。生まれてきてくれてありがとう。そして、お誕生日おめでとう。あなたの一年が幸せなものでありますように Y』

その手紙と共に入っていたのは、黒のバッグだった。シンプルなデザインだが、どこか高級感がある。おまけに荷物がたくさん入る実用性も兼ねていた。

「天使様、素敵なプレゼントありがとう」

マシューはバッグを抱き締めた。
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