劣等生と光の花束〜ある魔女の秘密〜
「クリスマスも年越しも学校なんて、可哀想〜!俺らは家で父様たちと楽しむぜ!」

パトリシアとイーサンの嘲笑に対し、マシューは「そう。楽しんでね」とだけ返し、二人に背中を向ける。学園に入学する前のマシューならば、「家族がいない」ことに絶望を感じていただろう。しかし今、マシューの中に寂しさなどはない。

(ディセントラ学園は楽しいところだから、帰れなくても全然いいんだよね。むしろ、屋敷に帰りたくないし……)

しかし、マシューは未来のことを考えて肩を落としそうになる。冬休みは学園に残れるものの、夏休みは全員実家に帰らなくてはならないのである。

(夏休みになったら、あの地獄がまた始まっちゃうのか……)

マーキュリーの屋敷に帰ることに憂鬱になっていたマシューは、背後でイーサンが杖を向けたのに気付かなかった。イーサンの怒りを含んだ声が飛んでくる。

「何涼しい顔したんだよ!!悔しがれよ!!この出来損ないが!!ツェアシュテールロング!!」
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