劣等生と光の花束〜ある魔女の秘密〜
「これは、魔法史の授業の最初の方で教えたところですね。まさか君が勉学に関する本を選ぶなんて。明日は大雪ですかね」

ルイスが本を差し出し、マシューは胸の痛みを感じながらも本を受け取る。泣いてしまいそうになるのをグッと堪えた。

「冬休みだというのに、家に帰らないんですか?ああ、あなたには帰る家がありませんでしたね。お情けでマーキュリーの屋敷で暮らしているのは知っていますよ。シリウスさんはダイヤモンド・スワン寮の先輩ですからね。色々、屋敷での君のことは聞いているんです。下水道で暮らすネズミみたいな暮らしだそうですね」

ルイスの言葉がマシューの心に突き刺さっていく。家に帰らないのは先生も同じではないか、という言葉がマシューの頭に浮かんだものの、それが喉から発せられることはない。

(僕は、役立たずだから。失敗作だから。劣等生だから。ただ、黙っているしかできないんだ……)

拳を握り締め、マシューは俯く。ルイスがかけてくる言葉は、何を言っているのか聞き取ることができない。しかし、彼の発した言葉の一つひとつが、マシューの心に傷を付けていく。
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