劣等生と光の花束〜ある魔女の秘密〜

メリークリスマス

十二月二十五日。この日は、世界中の子どもたちにとって特別な日である。

「マシュー。マシュー、起きて」

マシューの頰をジルが肉球で何度も押す。マシューは目を開けた。ジルがお腹の上に乗り、優しい目を向けている。

「メリークリスマス!プレゼント、届いてるわよ」

「プレゼント……!」

眠気に負けてしまいそうだったマシューは、体を起こす。枕元に目を向けると、リボンでラッピングされた赤い箱が置いてあった。添えられたクリスマスカードには、メッセージが書かれている。

『メリークリスマス!可愛いマシュー。素敵なクリスマスを過ごしてね Y』

「天使様からだ!」

マシューは笑顔を浮かべる。マーキュリーの屋敷にいた頃は、当然マシューにクリスマスプレゼントなどなかった。雪が降る寒い物置で、ジルと二人寄り添い合い、明かりが灯り、クリスマスパーティーでもしているのか賑やかな屋敷をただ見ているだけだった。そんな寂しいクリスマスに天使様から贈られるプレゼントは、マシューに唯一クリスマスの喜びを与えてくれるものであった。
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