応募用
「恒星」
それは、自ら光り、輝きを放つ天体をさす。
太陽や、多くの星々は恒星だ。
その多くの星の中でも、自ら光を放たない星もいる。
それらの存在は、「惑星」と呼ばれている。
惑星は、恒星の光を反射して自らを輝いているように見せる。

あなたが太陽だとすれば、私はきっと、ただの惑星に過ぎない。


担任の挨拶で今日のホームルームは終了を告げた。教室内の生徒たちは集中力が切れたようで、一斉に騒ぎ出す。
そんな喧騒を他所に、私は今日も1番に教室を出る。
そんな私のことを気に留める人は、誰1人としていなかった。
教室を出た私は、足早に真っ直ぐ続く長い廊下を進んでいく。
目的地は、教室から少し距離がある。途中で運動部と思しき生徒たちとすれ違った。
彼らは私のことが途中まで見えていなかったようで、急に人が現れたと驚かれてしまった。
私は、よくあることだったのでいちいち気にはしなかった。
昔からよく、「影が薄い」と言われてきた。地味な見た目と引っ込み思案な性格も相まって、尚更存在感は無いに等しかった。
そんなことだから、空気と一体化することばかりが上手くなってしまい、高校2年生になった今でも友達が1人もいない。
けれど、寂しくはなかった。私には、好きなものがあるから。それに夢中になっている限り、寂しさなど感じない。
今日も私はその「好き」に浸りに行くために、ある場所を目指す。
廊下の1番角の少し狭い教室。そこが私の学校での唯一のお気に入りの場所だ。
扉を開けると、相変わらず狭い空間ではあるが、物も片付けられており、ゆっくり時間を過ごすには最適な空間と言えた。
その中央の机の上には、多くの本が積み上げられている。それらは、全て星に関する本だった。
積み上げられていた本のうちの1冊を手に取り、窓際のいつもの定位置に置いてあった椅子の上に座る。
そして、私は今日も星の世界に没頭した。
幼い頃から星が好きだった。大事な一人娘として育てられたこともあり、両親には、よくプラネタリウムに連れて行ってもらった。
星に関する本もたくさん買ってもらえた。今読んでいる1冊もそのうちの1つだ。
星の世界に浸っていれば、現実を忘れられる。友達作りが苦手だった私にとって、星は救いのような存在だった。
「プラネタリウム行きたくなっちゃったな」
最近は数日前に終わったテストの勉強に力を入れていたため、しばらくの間は行けていなかった。
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