私のかみさま(改訂版)
自分の心を守るために始めた
その生き方だったけど


段々と、分からなくなった。


自分の心を押し殺して、犠牲にしてまで
相手を優先することに意味はあるのか。


そうまでして得た承認(もの)に
本当の自分を偽ってまで
手に入れた関係に、価値はあるのか。


こんな生き方を続けて
私は本当に幸せなのかと。


色んな気持ちがあふれて
ぐちゃぐちゃになって
訳が分からなくなってしまった。


比較を止めて、ありのままの自分で生きればいいだけの話なのに

何も複雑なことではないはずなのに


どうして、私は
そんな簡単なことができないのだろう。



「…」



月明かりで
うっすらと照らされる室内で


床に座り込んだまま
自分の手首を、じっと見つめる。


まっすぐに伸びた線から
とめどなくあふれて、滴(したた)り落ちる
『それ』を眺めて


ぼろぼろと、ひとり、涙をこぼす。



「…………ほんと、バカだ…」



行き場のない
ぐちゃぐちゃしたこの気持ちを
こんな形でしか発散することができない。


痛くて痛くて仕方ないのに
やめることができない。



「…」



幼い頃の、あの世界。


ただただ、穏やかで優しかった、あの空間。


なにもできなくても、愛されていた自分。
ありのままでも、受け入れられていた自分。


自分もまわりも幸せだったあの時間。


『比較』なんて言葉を知らなかった
する必要のなかった、あの頃に


戻りたい。
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