尊い推し兄弟に愛されてます!?
するとそこへ、
「おはよー、いっちゃん!」
明るい声とともに、玲央くんの弟である柚希くんが、ひょこっと顔を出した。
人懐っこい笑顔で、相変わらず今日も距離が近い。
「ゆずくん、おはよう!」
「なんかぁ……顔赤くない?」
「2人して……これは気のせいだよっ」
私は全力で否定した。
そんな私たちのやり取りを、少し後ろで見ていたひまりと美月がニヤニヤしている。
「何その顔……!?」
私が二人の元へ駆け寄ると、私の両腕を掴み、端の方へ連れて行かれる。
「普通のオタクってさ、推しとまともに喋れないんだよね」
「いっちは推しの方から絡みに来るもんね〜」
二人がこそこそと話す。
「やめて!?彼らにとって私は、ただの幼なじみだからだよ!?」
「どうだかー?」
美月が冷やかす。
こんな感じで毎朝わちゃわちゃと、教室まで行くのであった。
ひまりとはクラスが違うので、いつも私と美月の教室前で分かれる。
「じゃ、ひまりまたねー!」
「あ、そうだ、いっち!」
ひまりが突然カバンをごそごそ漁り始める。
もしかして――。
「昨日言ってた新刊貸す!」
「えっ」
次の瞬間、ピンク色のBL本が私の目の前に突き出された。
しかも表紙が結構際どい。
「ちょっ……!!」