好きになった人は、みんなのアイドルで 4

20話 支度

20話

「つむぎちゃんの髪サラサラだねー」

「昨日、悠太郎くんが乾かしてくれたからですかね?」
笑って答えると

「私の指導が良かったんだな」
と結衣さんも笑う。
「お客様、おまかせでよろしいですか?」

「はい、お願いします」

手際よく結衣さんが髪を巻いてくれる。

「すごい、上手」
「……あ、すみません、失礼ですよね。プロの方に」

「ううん、褒められるの嬉しい」
「やる気出ちゃう」

ーー
「できたよん」

鏡で後ろを見せてもらうと、……可愛い。
編み込みのハーフアップがお花みたいになってる。

「……可愛すぎます」

「写真撮ってあげる」
「そんで私のインスタにも上げていい?」

「大丈夫です、どうぞどうぞ」

「美容師もSNSやらなきゃいけないとかさ、アイドルじゃないんだからって」
「あ、つむぎちゃんもフォローしてね。後で送っとくから」
ぼやきつつも熱心に更新してるらしい。

「分かりました、フォローしますね」

喋りながらも鏡を見てしまう。
自分で巻くのとは全然違う。早く悠太郎くんに見せたい。

「じゃ、悠太郎呼んできまーす」
私の気持ちを見透かしたかのように悠太郎くんを呼びに行く結衣さん。

ーー
「じゃじゃん」
結衣さんが楽しそうに部屋に戻ってくる。

「え、やば、めっちゃ可愛い」
「これ姉ちゃんがやったの?」

「そう、天才?」
結衣さんがドヤ顔をする。

「うん、天才。紬めっちゃ可愛い」

「だよね?めっちゃ可愛いよね?」
嬉しくてくるっと回って見せる。

「やべー、俺今日この子とデートだ」
「姉ちゃん、俺の髪もやってよ」

「仕方ないなー」
悠太郎くんの髪を手早く巻いていく結衣さん。

「待って、やばい、かっこよすぎる」
「NOVAの2つ目のステージのふわふわヘアめっちゃ好きだったの」
急にオタクみたいになっちゃう私。

「まじで?そういうの早く言ってよ〜」
「俺もアイロン練習するわ」

「はい、できたよん」

いつもと違ってふわふわヘアになった悠太郎くんは、びっくりするほどかっこよかった。
「……アイドルみたいだね」

「そうだよ、俺アイドルだもん」
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