45歳派遣OL、年下上司に囲われて溺愛されました
私の立場は、あくまで派遣社員。

この会社に入ってから、もう何年が経っただろう。

年齢を重ねるごとに、自分を「ただの事務員」と定義して。

感情を殺して淡々と仕事をこなすことが一番楽な生き方だと学んできた。

それなのに、どうしてだろう。

この殺伐としたオフィスで、誰よりも厳しいはずの彼の下で働くことに、私は言いようのない充足感を覚えていた。

彼のスマートな判断力、部下のミスを即座にフォローする包容力。

彼が部長としてこの部署をまとめてくれているからこそ、私たちは迷いなく仕事に向き合えるのだ。

私にとって部長は、完璧なリーダーであり、決して手が届くことのない高潔な存在だった。

そんな時だった。

隣のデスクに座る同僚が、少し困った表情で私を呼んだ。

「井川さん、この前の書類できました?」
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