拝啓、居なくなってしまった貴方へ。
少し、昔のこと。
私・佐倉花乃は家を出た。
高校の制服に身を包んで、隣の家の前で待った。
数分経ったあと、背の高くなった短い焦げ茶の髪の毛で、私と同じ高校の制服を着た幼馴染・柊日向が出てきた。
幼馴染でもあるけど、──私の、初恋で、好きな人。
『おっそい。1分遅れ!』
私はいつものように話しかけた。
『1分くらいいーでしょ、短気だなあ』
マイペースな彼は喋り方もゆっくりで、柔らかい。
逆に、たまに遅刻するけどね。
まあ1分くらいいけど。
『さむー……』
小さな声で呟いた。
小さな声だったけど、隣にいた日向には聞こえたみたい。
『マフラー付けてこればよかったのに』
と、あったかそうなマフラーをつけた日向が答えた。
『自分だけ温まっちゃって。ひどいなぁ』
『じごうじごくだね』
『自業自得、ね』
その間違えがわざとなのか、本当なのかは分からなかった。
恐らく、後者だろう。
─こんな何処にでもある日常が壊れてしまうのは、少しあとの話。
私・佐倉花乃は家を出た。
高校の制服に身を包んで、隣の家の前で待った。
数分経ったあと、背の高くなった短い焦げ茶の髪の毛で、私と同じ高校の制服を着た幼馴染・柊日向が出てきた。
幼馴染でもあるけど、──私の、初恋で、好きな人。
『おっそい。1分遅れ!』
私はいつものように話しかけた。
『1分くらいいーでしょ、短気だなあ』
マイペースな彼は喋り方もゆっくりで、柔らかい。
逆に、たまに遅刻するけどね。
まあ1分くらいいけど。
『さむー……』
小さな声で呟いた。
小さな声だったけど、隣にいた日向には聞こえたみたい。
『マフラー付けてこればよかったのに』
と、あったかそうなマフラーをつけた日向が答えた。
『自分だけ温まっちゃって。ひどいなぁ』
『じごうじごくだね』
『自業自得、ね』
その間違えがわざとなのか、本当なのかは分からなかった。
恐らく、後者だろう。
─こんな何処にでもある日常が壊れてしまうのは、少しあとの話。

