ソング・ツインズ
ひとまず安心していると、前方の席に若菜ちゃんたちの姿を見つけた。
いつわたしが出てくるか、今か今かと待ち望んでいるのがその後姿からもわかる。
「ほんとうのことを言えなくてごめんね」
若菜ちゃんの残念そうな顔をみるのが嫌で、自分は歌わないことを伝えられなかった。
若菜ちゃんは余計にガッカリしてしまうかもしれない。
そう考えるといたたまれなくて、今からでも間に合うかもしれないと一歩踏み出したときだった。
『続いては姫歌中学校バンドの演奏です』
とアナウンスが流れた。
同時に重たいカーテンが左右に開けていく。
向かって左後ろにキーボード。
右後ろにドラム。
手前右手にギター。
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