桜花転生奇譚
もちは、玲さんのあだ名。蒼さんは、みどりさん以外の全員をあだ名で呼ぶ。

私は「ゆっきー」、玲さんは「もち」、伊織さんは「いっちゃん」、秀斗さんは「しゅーくん」、萌歌さんは「もえちゃん」、ひかりちゃんは「ひーちゃん」。

そして、玲さんと蒼さんは、よく喧嘩をしている。蒼さんが喧嘩を吹っかけて、玲さんが喧嘩を買っている感じ。

喧嘩を見るのが嫌いな私だけど、何故か2人の喧嘩は見ていても嫌な気分にならない。何でだろう……。

蒼さんが話しかけても、玲さんは無言のままだ。

「あんなに動いた後で、まだ動けるの?ゴリラかよ」

蒼さんがそう呟くと、薪を割っていた玲さんの手が止まった。

あっ、これ喧嘩になるやつだ……どうしよう……。

私がどうしたらいいのか戸惑っていると、背後から足音がする。足音だけで、誰が来たのか分かった。みどりさんだ。

私の推測通りにみどりさんが私の脇を通り過ぎると、みどりさんは蒼さんの目の前に立つ。そして、両手で蒼さんの頬を引っ張った。痛そう。

「お~に~い~ちゃ~ん~?私は、喧嘩をしないで薪を割るように言いませんでしたっけ~?」

みどりさんから、すごい圧を感じる。これが漫画なら、「ゴゴゴゴゴ」という効果音が付いていることだろう。
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