桜花転生奇譚
「そうなの?」

「ぼくにとってはね。自分の生活スタイルに合わせて過ごせるし、なにより……暖かい人ばかりだからね」

「……確かに、良い人ばかりだよね」

私は、祓魔師隊の隊員の顔を思い浮かべた。

「……それにしても、いつも以上にカラスが鳴いているような……」

その時、そう言ってひかりちゃんは立ち止まる。私も、立ち止まった。

ギャアギャア、と大合唱をするかのようにカラスが鳴いている。バサバサ、と私とひかりちゃんの頭上を数羽のカラスが飛んでいった。

「……嫌な予感がするなぁ……少し、式神を飛ばしてみるか……」

ひかりちゃんは懐から1枚の紙を取り出すと、紙に「おいで」と語りかける。ポンッと音がして、1羽の鳥が現れた。そのまま、偵察に式神を飛ばす。

ひかりちゃんは、なんでも器用にこなす。ひかりちゃん自身は器用貧乏だって言ってるけど、私はそうは思わないんだよね。

私からすれば、ひかりちゃんは魔術の扱いがとても上手い。手先の器用さが、そのまま魔術の扱いに直結するからね。多分、蒼さんと同じくらい上手いと思う。

ひかりちゃん、手先が器用だし……この間、茶の間で市販で売っている小さい折り紙を4分の1に切って、それをさらに4分の1に切ったサイズの折り紙で、折り鶴を折っていたのにはびっくりした。

ひかりちゃんが完成させた小さな折り鶴は、茶の間の隅にある棚の上に飾られている。伊織さんが飾っていた。
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