桜花転生奇譚
「前みたいに小説を読み合って、時にはクロスオーバーして……ってやりたいな」

私が今やりたいことをひかりちゃんに伝えれば、ひかりちゃんは「いいね。ぼくも、クロスオーバーやりたい」と微笑んだ。

「……あ、そうだ」

私は数か月前から気付いていたこの気持ちを、ひかりちゃんに話すことにする。

「私、玲さんに恋をしているんだ」

玲さんから祓魔師の合格祝いをもらった時から、玲さんといるとドキドキして、玲さんのことを考えて、玲さんと一緒にいる未来を考えて。

「そっか」

相変わらず一言しか返事はないけど、でもそれでいい。ちゃんと話は聞いてくれているって、分かっているから。

「……いつか、玲さんと恋人になって、玲さんと結婚して、家庭を築きたいな……ひかりちゃんはさ、好きな人とかいるの?」

私が話を振ると、ひかりちゃんは「……好きな人……」と呟いた。その後、何かを考え込んでいるのか何も話さなくなる。

「……いないかな」

「意外。萌歌さんが好きだと思ってた。萌歌さんにだけ、プレゼントをあげたくらいだし」

「……あれは、萌歌が前髪が邪魔だって言っていただけであって……萌歌に普段お世話になっているから、何かを返したかったし。あまり人にプレゼントを渡さないから、あの時は緊張したなぁ……まぁ、いいや。確かに、萌歌のことは好きだ。でも、これは恋愛感情とは違うんだよね」

ひかりちゃんは、そう言って空を見上げる。神域は、どの時間帯に来ても満点の星空が広がっている。

星が好きで宇宙について詳しいひかりちゃんは、良く夜空を見上げているらしい。
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